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#1 役割を明確にする

ファミリービジネスでは、役割の錯綜や混乱が絶えません。なぜでしょうか?

答えは、1人の人間が、幾つもの役割を担うためです。

たとえば、会社での社長が、ファミリーでは父親であり、大株主であったりします。この人は、「社長」「父親」「大株主」という3つの役割を背負っています。うまく行っていないファミリービジネスでは、ビジネス場面で社長を「お父さん」と呼んだり、ファミリー場面で父親が「社長」としてふるまったりします。これは場面と役割の混乱です。

家族は、ビジネス場面で(父親を)「社長」と呼ばなければなりません。ファミリー場面では、(社長は)「父親」としてのみふるまう必要があります。それぞれの場面にあった的確な役割を抽出し、それを十全に生きることがファミリービジネスをスムーズに、健康に機能させるうえで不可欠です。

ここで、簡単な取り組みをしてみましょう。ノートかメモ用紙をご用意ください。

ノートに3人の人間を描きます。1人は「社長」、1人は「父親」、1人は「大株主」です。この3人に、(1)今後のビジネスについて(2)夫婦関係について(3)将来の事業承継について、自由に話し合わせてください。

・・・いかがですか?

おそらく、3人の考えや意見が対立したり、混乱したりして、うまくまとまらなかったかもしれません。

ここで出てきた3人の役割は、実際のファミリービジネスでは、1人の人間によって担われています。その1人には、場面に応じて3つの役割を柔軟に使い分ける、高度すぎる技芸が求められているのです。これを実現するためには、その人の心の内面で3つの役割が適切に分化され、また3つの間に良質な関係が築かれている必要があります。

こうした内面性の創造、耕作を行うのもセラピーの大切な側面です。

ファミリー・セラピーでは、ファミリー1人1人の役割を明確にするために、実践的に取り組みます。
ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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