これまでの葛藤解決や交渉術は、葛藤力が「すでに」身に着いている、という暗黙の前提の上に進められていました。葛藤解決や交渉術の大半が、西洋生まれだったためです。西洋では、葛藤や議論できることが、「前提」です。
それに対して、日本では、「ケンカしない」「争わない」そして「葛藤しない」「議論しない」ことが、良しとされてきました。日本文化のコミュニケーションが、「タテ(縦)社会」における「上意下達」のうえに成り立ってきたからです。「上意」は「主君の意見」で、「下達」は「下の者に伝えること」です。上意下達は、「忖度」「空気を読むこと」「目上の人の機嫌を良くすること」から成り立ってきました。それは「ヨコ(横)のコミュニケーション」を、切り捨て、排除します。
横へ眼差しを向けると、そこに意見、考え、感性に違いのあったこと、個性のあったことが見えてきます。上意下達は、その差異や個性をノイズ(雑音)として扱い、無視したり、無関心であったり、解離したりしてきました。
しかし、現代の家族や夫婦は、上意下達ではやっていけません。目上の者と目下の者を作る(今でも慣習的に、また心理的に残る)家制度に「No!」を言う家族メンバーが増えています。今までのままでは、現代の家族も夫婦もサステナブル(持続可能)ではありません。
横のコミュニケーションは、違いや個性をあぶり出します。意見の差異は必須なため、葛藤や対立が生まれます。話し合い、議論の場が求められます。
「葛藤」や「議論」には、「ケンカしないで仲良くしてね」が生んだ「解離」の治癒が必要です。それには、心の離れ孤島と心の陸との間に、「橋」が架けられなければなりません。すると、心に「葛藤」が戻ってくることができます。葛藤は「健康」です。しかし、心に筋肉がついていなければ、心は「葛藤」に耐えられません。戻ってきた葛藤が苦痛をもたらすからです。
ファミリー・セラピーでは、心理療法の立場から「解離」に取り組みます。
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