近年ビジネス領域で、ガバナンス(統治、指針)の重要さが言われるようになりました。それは、ファミリーでも同じです。家族を世代を超えて豊かに、幸せに、平和に永続させるには、ガバナンスが欠かせません。以前はそれを、家制度が担っていました。民法から家制度が消え、家制度に抵抗を持つ家族や個人が多い現代、新たな「ファミリー・ガバナンス」創造が急務です。
心理学でガバナンスを表す1つに、深層心理学者C.G.ユングの「セルフ(Self、自己)」があります。大文字のSで始まる自己は、「大いなる自己」と言われるものです。ユングは、「私」を〈統治〉するのは、「私」ではなく、「私」が気づいていない「大いなる自己」「大いなる私」だと考えました。それは、心の「深層」に潜む自己あるいは私です。
私たちは、家族の深奥にも「家族の大いなる自己(family Self)」が潜在すると考えます。「家族の大いなる自己」を顕在化し、それに従って深みのある家族のファミリー・ガバナンス(家族統治、家族指針)創造を支援します。
「セルフ」の特徴は、「中心化」力です。セルフが機能すると、物事、出来事、事象が自ずと集約し始めます。バラバラだった家族が集約し、つながり、結合力が生まれます。
「家族の大いなる自己」は、家族の個々のメンバーが入れ替わっても生き残り、永続する深層の家族統治、家族指針です。
ファミリー・セラピーでは、「家族の大いなる自己」を見出し、賦活するのための支援を行います。
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