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葛藤する経験をもつ

そして会社では、部下は上司に忖度し、「御意(ぎょい)」と言うことが求められます。

日本では、「和をもって貴し」がいいと、たくさんの人が思っています。しかし、「和をもって貴しとなす」を言った聖徳太子が、「同調」ではなく、「お互い納得いくまでしっかりと議論しなさい」とも述べていたことは、あまり知られていません。「お互いが納得いくまでの議論」を推奨したのです。それは、争いや葛藤を含みます。

が、日本では、家族でも、学校でも、組織でも葛藤や議論自体が悪いもの、争いや葛藤はあってはならないもの、と教えられてきたのではないでしょうか? 葛藤、議論、争いのないことが良い、と信じられてきたのではないでしょうか? 疑問や質問を持つことは良くない、と伝えられてきたのではないでしょうか?

葛藤、議論、争い、質問に向き合うためは、「勇気」が必要です。嫌われたり、嘲笑されたり、バカにされたり、攻撃されたり、無視されたり、村八分にされたりされかねない不安や恐怖に、負けない丈夫でしなやかな心の力が求められます。

「ケンカしないでね」「争わないでね」「仲良くしてね」は、葛藤や議論を排除します。葛藤や議論の無いことを、セラピーでは「解離」といいます。解離は、心に「孤島」を作ります。

他方、葛藤する一方の側を排除し、その排除したところを無意識へ押し込むことを「抑圧」といいます。「抑圧」と「解離」の違いは、「解離」が葛藤それ自体を心から切り離し、孤島化する点です。解離によって生み出された孤島に、葛藤を丸投げして封印します。

日本の「ケンカしないで仲良くしてね」「忖度」「御意」は、葛藤の排除、つまり解離を生みます。これでは、いつになっても葛藤の仕方を学ぶことができません。葛藤に関する心の筋肉がつきません。葛藤する経験~成功体験および失敗体験~がないためです。葛藤から学ぶ機会そのものが奪われるからです。葛藤についての、心の筋肉のつけようがありません。

ファミリー・セラピーでは、葛藤する経験をもてるように、実践的に取り組みます。
ご関心のある方は、お問い合わせください。あなたからのご質問も歓迎いたします。

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